Trang tin tức về Nhật Bản - 税金を使わない?=東京大公共政策大学院副院長・伊藤隆敏
  • 税金を使わない?=東京大公共政策大学院副院長・伊藤隆敏

    鳩山政権の郵政改革は、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を1000万円から2000万円に、かんぽ生命の加入限度額を1300万円から2500万円に 引き上げる方針が決まった。郵便事業を全国津々浦々で展開するために生じる赤字を、金融事業の収益強化による黒字で埋める、つまり税金を使わずにユニバー サルサービスを維持、という触れ込みだ。  まったく違う分野だが、経済学的には同様のことが、関西圏の空港運営で提案されている。1兆円超の債務を抱え、利払いに税金が投入されている関西 国際空港について、黒字の大阪空港と一体的に運営する権利を民間企業に売却することで関空への国の補給金を減らせる、という案だ。
     郵政と関空に共通しているのは、黒字事業と赤字事業をくっつければ、赤字補助の税金を節約できる、という発想だ。これを経済学では「内部補助」と いう。このモデルの最大の問題点は、赤字事業において効率化の努力が失われることだ。
     内部補助を導入しても、税金が節約されるわけではない。黒字事業が赤字事業の穴埋めに使われると、黒字が減って、支払う税金も少なくなるからだ。 ただ、税金の投入が見えなくなるから、効率化努力も出てこない。
     1980年代の自由化前の航空行政や金融行政がそうだった。運賃や利子率の規制で利益を保証しつつ、津々浦々のサービスを民間に半ば強制してい た。
     赤字事業の効率化を実現しつつ、公共性を持つサービスの維持には税金投入を行う、というのが改革の王道で、30年前に決着がついた、公共経済学の イロハだ。今回の郵政改革や関空問題への対処法は、小泉改革を否定するのみならず、「規制緩和」の時計の針を大きく巻き戻すものだ。